2012年2月4日土曜日

無題


拾ってはいけない
と禁じられた
かつて砕かれた幻影を
拾いあつめ
破片を繋ぎ合わせようとして
一つ足りない

私はそれを
失った人々の肯定のなかに求め
あふれ出した仮想の時間に
押し流されては
幻影はついに不具のまま
私の前へ立ち現われる

壊れた幻影は私を愛さず
欠損した肉体の一部として癒着した
暗い生活がうごめいては
私を殴る
苦い覚醒がやってくる

伸ばされた視線の先には
切断の未来
あるいは縊るには短い影の地平があり
しかし私の肉体は
6時方向からやって来て
脇道に逸れることもなく
0時方向の苦悶へ向かおうとする

肉体に精神を引き摺られ
崩落しかけの希望の上を歩いてゆく
壊れた幻影を抱き
裸の足裏に砕けた明日をくっつけて
精神の周囲は300億光年の檻 
私は目を細める
そしてそのまま真っ直ぐに歩き出す

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