2012年1月21日土曜日

仰臥


      1

湿気が纏わり
いつか
麩菓子になった屈辱に
朝の裾の中身を
下から覗き見している
己で気付いた


      2

遅すぎる朝に
指先で弄ぶ
楽観と悲観で形成された
冷たい二重螺旋
その果てにある
予定された
清潔な
絶望

      3

かつて世界を
貪り過ぎた代償に
嗅ぐこと以外は禁じられ
薬品の異端性や
シーツの自若に
ひとつひとつ触れてゆく
これらにおいの固い外郭は
少しも肉体にうちとけず
室の空気に油が混じる頃
シャツを捲り上げ
むせ返る体臭を
ただひとつの拠り所として
今日を過ごす


      4

七十と五つ

十二月二十七日のデッドコピーが

明晰な雫となって

僕の傍らで滴り続ける


  ( 脳脊髄液の

  ( 詩的な

  ( 漏れ


      5

此処が
いつまでも
此処にならず
いまだ何処でもない
其処を
棲みかとし
凪いだ海に
肉体は
漂う

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