少年ジューシー
僕の惑星は健康な呼吸を長く忘れて
大気層を放ったまま地表ばかりが立派になって
正しい自転の速度ばかりに気を払っている
僕という一人称が変転を繰り返した
忌まわしくまた懐かしい
遥かなカンブリア時代をそのままに
僕の惑星のマグマは今も
硬い地表の底で対流を続けている
そしてそれはたまにあふれ出しては僕を困らせる
僕の惑星の地表を幼いマグマで覆ってしまう
僕は呼吸を思い出して苦しくなってしまう
少年ジューシー
君は僕の卵の中身
君は僕に人懐こく声をかけて
僕をカンブリアのかつての動乱へと振り向かせる
少年ジューシー
僕は君への挨拶の仕方をしらない
だからいつも悪態をついては
僕からあふれ出た君を惑星の外へ放り出す
おっちょこちょいの少年ジューシー
猪突猛進の少年ジューシー
先走りの少年ジューシー
僕の惑星はいつも君を放逐してきた
僕の平静な地平を脅かす厄介者として
でも君のしつこさは僕の惑星が白亜紀になっても
氷河期を迎えてもいつまでも止む気配がない
少年ジューシー
マグマの君をいかに放り出すかの算段はやめだ
そろそろ君と話をしよう
君を僕の硬い地表に迎えよう
君が僕の惑星の新しい海となるなら
それでいい
少年ジューシー
もういちどカンブリアの話をしてくれよ
幼くてちょっぴり莫迦で
ひたむきだったあの頃の
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